原点的モデルのDNA プリム

東欧と腕時計―両者は一見結びつかないように思えるかもしれない。しかし、チェコのウオッチマニュファクチュール、
プリムのモデルに触れれば、真摯なもの作りを実感できる。チェコ以外ではまだあまり知られていない希少性の高いモデルの中から、1958年に初めて発表されたモデルのDNAを受け継ぐ、フラッグシップモデルを紹介する。

Photo Takehiro Hiramatsu(digni) Text Yasushi Matsuami

東欧と腕時計―両者は一見結びつかないように思えるかもしれない。しかし、チェコのウオッチマニュファクチュール、
プリムのモデルに触れれば、真摯なもの作りを実感できる。チェコ以外ではまだあまり知られていない希少性の高いモデルの中から、1958年に初めて発表されたモデルのDNAを受け継ぐ、フラッグシップモデルを紹介する。

(上)スパルタク36(下)スパルタク40
(上)スパルタク36
リーフ針を備え、優雅な印象。5気圧防水。手巻き、ケース径36 ㎜ 、SSケース×クロコダイルストラップ、426,600円。
(下)スパルタク40
ドフィーヌ針を備え、モダンさも加味。デイト表示付き。5気圧防水。自動巻き、ケース径40㎜、SSケース×クロコダイルストラップ、459,000円。

チェコ唯一のウオッチマニュファクチュール、プリム。旧チェコスロバキア時代の1946年に設立された国営時計工場を前身とし、49年に腕時計専業部門として独立。90年代までに、チェコの誰もが手にする国民的腕時計メーカーというポジションを確立する。2000年以降、技術革新を進め、機械式時計をブラッシュアップし、自社一貫生産するマニュファクチュールとして評価を高め、海外進出にも取り組み始めている。

そんなプリムが、1958年に最初に世に送り出したモデルが「スパルタク」だった。〝スパルタク〞という言葉には、〝観衆〞という意味がある。同時に、古代ローマ時代の英雄スパルタクスにちなんだものでもある。ローマ軍に敗れた戦争捕虜が、円形闘技場で民衆を前に剣を交える剣闘士となることを余儀なくされ、命を落とす危険にさらされた。その解放を掲げて蜂起したのが、剣闘士スパルタクスだった。彼の自由を貴ぶ精神へのリスペクトも、この時計には込められている。

アラビア数字のインデックスを備えたデザインは端正そのもの。ケース径が36㎜の手巻きモデルと、40㎜の自動巻きモデルの2タイプが用意されている。チェコ特産のボヘミアン・クリスタルが、風防とシースルー・ケースバックに採用されているのも、プリムならではの魅力だ。

使う人やシーンを選ばないシンプルなクラシックさ、そして誠実なもの作りのスタンス。まさに「スパルタク」の名にふさわしい。

●ブレインズ TEL03-3510-7711

※『Nile’s NILE』2016年10月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
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