フランス邸宅の“日常”を蓼科で過ごす

雄大な山岳や渓谷など、豊かな自然に囲まれる高原、蓼科。ビーナスラインに隣接した旧宮家・東伏見家の別邸跡地に、静かにたたずむフランス邸宅風の洋館がある。日本にいながら本格的なフランスの日常を楽しむことができる「ホテル ドゥ ラルパージュ」で、忘れられないひとときを。

Photo Satoru Seki  Text Mizuki Ono

雄大な山岳や渓谷など、豊かな自然に囲まれる高原、蓼科。ビーナスラインに隣接した旧宮家・東伏見家の別邸跡地に、静かにたたずむフランス邸宅風の洋館がある。日本にいながら本格的なフランスの日常を楽しむことができる「ホテル ドゥ ラルパージュ」で、忘れられないひとときを。

フランス邸宅の“日常”を蓼科で過ごす、ホテル ドゥ ラルパージュ
蓼科湖や八ヶ岳など、周囲を豊かな自然に囲まれた本ホテル。秋には紅葉、冬には雪景色を楽しむこともでき、晴れた日の客室からの眺めは絶景。庭やバルコニーでゆっくりと流れる時間を楽しみたい。

ラルパージュ─フランス・アルプス地方の方言で“夏の高原の牧草地”。涼しく広々としていて過ごしやすい場所。そんなアルプスに似て爽やかな風が吹き込む蓼科に、今年3月にオープンしたオーベルジュがある。「ホテル ドゥ ラルパージュ」。実業家の父とフランス文学者の母を持ち、フランスに縁深いオーナーの美学が詰まったこのオーベルジュのテーマは「カシミアの手触りの上質な日常」。わざわざどこかに出かけずとも、ただ時を過ごすだけで心地よい空間。オーナーがフランスで体験した「日常」を、この蓼科でそのまま味わうことができるのだという。

建物に入るとまず出迎えてくれるのが、天井高約8mの開放的なロビーだ。アーチ状になったガラス張りの天井から暖かな日が差し込み、室内を明るく照らしている。「ウィンターガーデン」と呼ばれるこの空間は、ガラス屋根をかけた18世紀の屋敷の中庭のイメージ。鉄とガラスの屋根は19世紀の象徴だ。このようにホテル内には、主に18〜20世紀フランスの建築様式や美術が多く用いられ、歩くだけでまるで時空旅行をした気分になれる。

客室は全部で12室。高い天井まで届く縦長窓はヨーロッパでよく見られる内開きで、ドイツのメーカーの特注品。ホテル内の調度品はほぼすべてフランスもしくはヨーロッパから取り寄せたもので統一されている。100年以上前のアンティーク品を修繕した家具も少なくないというから驚きだ。限られた人数しか宿泊できないコンパクトなホテルだからこその隙のなさがうかがえる。

おなかがすいたらレストランで自慢の料理を─と、その前に、フランスの食文化について知っておきたい。フランスでは食事の前に胃を刺激し、食欲を増進させるために食前酒を飲む習慣があり、本ホテルでももちろんその文化を楽しめる。レストランに隣接するバーには、豊富な種類のお酒を用意。同行者と会話を楽しむもよし、食事の準備をしているシェフやソムリエに料理やワインについてリクエストするもよし。レストランで提供される食事は基本コース仕立てだが、体調や好みに応じて量やメニューを調整することもできる。連泊のゲストが毎日食べても胃がもたれないよう、肉はあえて赤身を使用するなどの工夫も。まさに「毎日食べられるご馳走」。小規模なホテルだからこそ、ワンオブゼムではなく唯一のゲストとしての特別なおもてなしがある。

また、料理の後、なんといっても欠かせないのが“食後の3C”。シガー、コニャック、ショコラ。この三つをお供に食後をくつろぐのだ。バーに併設されているシガールームで煙草をくゆらせ、強めのお酒で食後の余韻を楽しむ。ショコラをつまみつつおしゃべりに興じる。フランスの文化を体験しながら、上質な時間を過ごすことができるのだ。

日常の延長としての旅、生活の延長としてのホテルステイ。一度泊まれば、この蓼科のフランスに「また帰ってきたい」と思うに違いない。

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    エントランス部分から続く床は、フランスの建築によく使用される石灰石製。ブラシ仕上げであえて凸凹感を残し、石の優しいぬくもりを演出。また館内には100点以上の絵画が飾られており、空間に調和をもたらしている。
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    「スイートルーム #21」。広さ107㎡、 2階に位置するスイートルーム。パステル調の暖かな壁面のカラーは、イギリスの塗料メーカーの製品から選んだもの。電灯スイッチやちょうつがいなどもヨーロッパ製で、細部までこだわり抜かれている。
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    ライブラリーとシガールームを併設したバー。置かれている本は18〜19世紀から現代のものまで。美術や建築、写真などについて書かれた洋書だ。古書を気軽に手に取ることができるのは貴重な体験だ。食前、食後の時間を楽しめるだけでなく、昼間はカフェとしても営業。
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    「信州黄金シャモのシードルヴィネガー煮込みトリュフ添え」。地元産の黄金シャモと野生のきのこ、芽キャベツ、リンゴをリンゴ酢で煮込んだもの。トリュフはフランス産。こってりしつつもくどくなく、体を温めてくれる秋冬のおすすめめメニュー。
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●ホテル ドゥ ラルパージュ
TEL 0266-67-2001

※『Nile’s NILE』2024年10月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
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