アドリア海からの贈り物

海中で熟成を重ねることで石灰藻や貝をまとったまるでアートのようなボトル。2021年のドバイ万博のほか、2024年のパリオリンピック、2025年の大阪万博でも公式スパークリングワインとして提供される予定の特別なワインだ。ワインセラーでは出すことができない独特な風味とまるみは、南欧諸国のVIPをも魅了している。

Text Mayumi Sakamoto

海中で熟成を重ねることで石灰藻や貝をまとったまるでアートのようなボトル。2021年のドバイ万博のほか、2024年のパリオリンピック、2025年の大阪万博でも公式スパークリングワインとして提供される予定の特別なワインだ。ワインセラーでは出すことができない独特な風味とまるみは、南欧諸国のVIPをも魅了している。

マーレ・サント スパークリングワイン
“アドリア海の宝”ともいえるスパークリングワイン。スロベニアの銘醸地で手摘みし、厳選した葡萄のみを使用。ボトルに付着した貝や石灰藻が唯一無二の存在感を放つ。1年間アドリア海で熟成させたことの証しである、ブランドタグもついている。

紺碧(こんぺき)の海が広がるヨーロッパ有数のリゾート・アドリア海。その海岸線はわずか46.6キロメートルながら変化に富んだ景色を見せるスロベニアに、ヨーロッパの人たちを魅了するワインの産地があるのをご存知だろうか。

産地の一つ、ゴリシュカ・ブルダは、穏やかな海洋性気候とアドリア海から流れ込む暖かい空気、そしてアルプス山脈から吹く冷たい風が混ざり合い、葡萄(ぶどう)栽培に適した土地。スロベニアでは紀元前よりワイン造りが行われてきた。イタリア・トスカーナ地方を思わせる丘陵地で、古くから葡萄栽培に取り組んできたワイナリーが造りだすのは「マーレ・サント」という名のスパークリングワイン。アドリア海の水深20メートルで、波に優しく揺られながら熟成させて出来上がった唯一無二のワインである。

沈没船から引き揚げられたシャンパーニュが、100年の時を経てもおいしく飲むことができたというエピソードがあるが、スロベニアにはワインを海や川に沈め、保存する風習があった。ときにはそのまま忘れられてしまったワインもあり、季節が変わって引き揚げるとその味は素晴らしいものに変化していたという。

この地域で語り継がれてきた“忘れ去られたワイン”を再現したのが、マーレ・サントである。海に沈めるときの深度や海流の影響などを調査し、品質を高めるためにボトルを改良。葡萄栽培やワイン造りも、海底熟成に適した形に改良していったという。

実は、海中での熟成にはワインセラーにはない魅力がいくつかある。大きなポイントは水深20メートルに沈めること。これより深くても浅くてもダメで、アドリア海での海底熟成にとって大切な条件がそろうのが20メートルだという。光が届かないため、年間を通して温度が変わらず、酸化のリスクもほとんどない。

さらに、この深さの水圧により、ボトル内圧のストレスが和らぐという利点もある。また、海流により常に揺れている状態にあるのも好影響を与えているらしい。こうした環境のおかげもあり、フレッシュさを保ちながら、角が取れたまろやかな味わいになる。

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
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