リストランテ ホンダの20年

東京のイタリア料理店が成熟期を迎えた2000年代、その半ばに東京・青山にオープンした「リストランテ ホンダ」。世の中が変わり、レストランのあり方が大きく変わる中、アップデートを繰り返しながら、”東京のリストランテ”というスタイルを貫き、多くのゲストに支持されている。2024年9月で20周年、今日に至るまでの歴史の中で変わったこと、変わらないこと。本多哲也シェフと「リストランテ ホンダ」の歩みについて話を聞いた。

Photo Masahiro Goda  Text Kei Sasaki

東京のイタリア料理店が成熟期を迎えた2000年代、その半ばに東京・青山にオープンした「リストランテ ホンダ」。世の中が変わり、レストランのあり方が大きく変わる中、アップデートを繰り返しながら、”東京のリストランテ”というスタイルを貫き、多くのゲストに支持されている。2024年9月で20周年、今日に至るまでの歴史の中で変わったこと、変わらないこと。本多哲也シェフと「リストランテ ホンダ」の歩みについて話を聞いた。

リストランテ ホンダの20年
本多哲也 ほんだ・てつや
1968年、神奈川県小田原市生まれ。西麻布「リストランテ・トゥリオ」を皮切りに日本、フランス、イタリアで修業。「リストランテ アルポルト」副料理長を6年務め、2004年に独立開業。2018年、店内を一部リニューアル。

まだまだ帰るつもりのなかった欧州での修業を3年足らずで切り上げたのは、西麻布の名店「リストランテアルポルト」の片岡護シェフからの連絡がきっかけだった。

「新しいシェフを、探している」

イタリア生活に心残りはあったし、日本でも働くならイタリア人シェフの店がいいと思うような〝欧州かぶれ〞だったけれど「アルポルトならば」と心を決めた。

「片岡シェフは当時、まちがいなく日本のイタリアンの最先端を行っていた。イタリア仕込みの技術を踏まえ、日本の食材、テクニックを取り入れた料理は新しく、挑戦してみる価値があると思ったんです」

31歳で「アルポルト」の副料理長に就任したときのことを、本多哲也シェフはそう振り返る。それから6年、片岡シェフを支え、店の全盛期を駆け抜けた。

冒頭、イタリアではなく「欧州」と記したのは、フランスでも修業をしたからだ。

「日本ではイタリア料理の経験しかなく、教わってきた技術が確かなものか、現地のフランス料理店で通用するのか、試してみたかったんです」

その経験が、イタリアに渡って役に立つ。最初の修業先はミラノの名店「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ」。オーナーのエツィオ・サンティン氏はイタリア人でありながらフランスで学び、創造性あふれる精緻(せいち)な料理で、イタリアで2番目の三つ星を獲得していた。

「シンプルな料理に、フランス料理の技術が隠れていて、料理の個性を生んでいた。フランスで学んだ経験を買われ、目をかけてもらい、グァルティエロ・マルケージをはじめイタリア料理界の巨星たちの生の声を聞けた経験は宝です」

イタリアで修業した料理人は珍しくない時代だったが、本多シェフはエリート中のエリートだった。さらに「アルポルト」での活躍もあり、「リストランテ ホンダ」は多くの注目を集め、期待を受けつつ2004年にオープンした。

「厨房二人、ホール一人の計三人。イタリアの星付きを、東京でやるつもりで店を開きました」

ミシュランガイドが日本に上陸し、初めてのガイドブックが刊行されたのが2007年。開業3年目の一つ星は、大きな励みになったと言う。

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    黒トリュフのアル・チェッポ
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    バターとパルミジャーノレッジャーノを合わせたソースで、ゆでたパスタを和えた一皿。「店でお出しするならジュ・ド・トリュフやチーズのエスプーマなどを加え、よりぜいたくかつ繊細に仕上げます」と本多シェフ。
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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
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Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
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