いつも変わらぬ“定番”を

2017年1月にオープンし、わずか10カ月でミシュラン東京の一つ星を獲得。笹川尚平氏が提供するのは、イタリアで長年愛されてきた、滋味豊かな郷土料理だ。変わらないように思えるその味は、実は食材や季節によって、微妙に、愛情深く変えられている。だからこそ何度でも食べたくなるのだ。

Photo Masahiro Goda Text Rie Nakajima

2017年1月にオープンし、わずか10カ月でミシュラン東京の一つ星を獲得。笹川尚平氏が提供するのは、イタリアで長年愛されてきた、滋味豊かな郷土料理だ。変わらないように思えるその味は、実は食材や季節によって、微妙に、愛情深く変えられている。だからこそ何度でも食べたくなるのだ。

ボッテガ「トリッパ、ギアラ、小腸の煮込み」
「トリッパ、ギアラ、小腸の煮込み」。突き抜けるような旨みが凝縮された味わい深い一皿。調理方法をその日の食材や季節によって変更することで、一年を通して愛されるメニューに。

だが、帰国後、門をたたいたのはモダンな料理で知られる「アロマフレスカ」の原田慎次氏。

「毎日、毎日、満席でも、丁寧さを積み重ねるのが原田さんの仕事であり、料理。学ぶことは多かったですね。しかも、僕の経験も認めてくれて『責任は自分が持つからやってみなよ』と、姉妹店『カーザ ヴィニタリア』のシェフを任せてくださいました。あと、店は持ってからが長いという話をしてくれたこともあり、勢いで独立するべきじゃないな、と焦る気持ちが消えました」

そして、満を持して40歳で「工房」を意味する「ボッテガ」をオープン。大人の雰囲気が漂う店内は、「心を込めて焼いています」というフォカッチャの香ばしい香りに包まれていた。

「フォカッチャやパスタも、その日の気温や湿度、食材によってレシピを調整します。その加減こそが、料理人の腕の見せどころじゃないかと思うのです。次々に新しい料理を作るよりも、そうやって一つのものを探求して、掘り下げていきたいと思っています」

ボッテガ 笹川尚平氏

笹川尚平
1976年富山県生まれ。調理師学校卒業後、東京で中国料理を学び、後にイタリア料理に転向。1年間イタリアで修業した後、「アロマフレスカ」の原田慎次氏に師事し、2017年に広尾に「ボッテガ」をオープン。

●ボッテガ
東京渋谷区広尾5-17-8
アプリシエ広尾B1F
TEL 03-6450-3933
bottega-cucina.com

※『Nile’s NILE』2019年4月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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