日本文化の総合表現

滋賀県、八日市に本店を構える招福楼。凛とした門構え、掃き清められた庭、提供される料理、どこを切り取っても一流の風格を見せる名店だ。当主の中村成実氏は、その本店と東京店の両方を統括。東京駅の目の前、丸ビルの36階というロケーションの中で、本店と同様の哲学を貫く。

Photo Haruko Amagata  Text Izumi Shibata

滋賀県、八日市に本店を構える招福楼。凛とした門構え、掃き清められた庭、提供される料理、どこを切り取っても一流の風格を見せる名店だ。当主の中村成実氏は、その本店と東京店の両方を統括。東京駅の目の前、丸ビルの36階というロケーションの中で、本店と同様の哲学を貫く。

招福楼 東京、サヨリの手毬寿司
手前は赤貝、サヨリの手毬寿司。春といえば貝。美しい包丁目も映える。桜の花びらをかたどったショウガも季節を演出。奥はウルイ、たらの芽、小柱の白子和え、一寸豆、フキの生ハム巻き、半生の干し子。春の味覚をたっぷり詰める。

季節ごと、文化ごといただく

招福楼の東京店は、丸ビルが竣工(しゅんこう)した2002年、その36階にオープンした。本店と同じ哲学を反映し、ビルの中にありながら、日本文化の粋を伝える静かな雰囲気を備える。とりわけ座敷の「十方の間」は、重要文化財である大徳寺孤篷庵忘筌席の写し。細部に至るまで小堀遠州好みの趣向が再現された、格調高い空間だ。また、そのほかの小間や椅子席は、落ち着いたしつらえと窓の外に広がるビル街の景色の両方を楽しめる造り。招福楼の当主、中村成実氏が考え抜いて実現した設計だ。

「私どもは料理屋ですが、料理だけを考えることはありません」と中村氏。「たとえば、来月になったらこの器を使いたい。であるなら、これに映える料理は……という具合に、全体で考えます」。なので、料理人の個性が出る幕はない。「今は個性の時代ですので、逆行しているのでしょう。でも、競争になっている中に入っていくのは大変(笑)。競争で、他との比較の中で評価されるあり方は好みません。料理やもてなしの本質は、別のところにある。それをお茶の心から学んでいます」

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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