仕込みされた料理は格好いい

ミシュランガイド東京で12年連続二つ星を獲得する名店を率いる谷昇氏。オープンから24年を経て、今、熱中しているのが、クラシックをシンプルに再構築した引き算の料理だ。飾らず、奇をてらうことなく、なおかつ圧倒的な存在感を放つ料理は、まさに熟練の極みといえるだろう。

Photo Masahiro Goda  Text Rie Nakajima

ミシュランガイド東京で12年連続二つ星を獲得する名店を率いる谷昇氏。オープンから24年を経て、今、熱中しているのが、クラシックをシンプルに再構築した引き算の料理だ。飾らず、奇をてらうことなく、なおかつ圧倒的な存在感を放つ料理は、まさに熟練の極みといえるだろう。

ル・マンジュ・トゥー、青首鴨と鴨の血のソース
鴨の血のソース。宮城県の青首鴨を、鴨の骨、内臓、血を半日間煮詰めたソースとともに丸ごと味わう。クラシック料理を再構築して生まれた、深く、重たさのないソースが秀逸。

「2年間、フランス各地を旅して、町の食堂で郷土料理を食べて。でも、それが身になっているとは思いますね」

帰国後は、ポール・ボキューズ氏が顧問を務めた銀座「レンガ屋」に勤め、ヌーベルキュイジーヌの洗礼を受ける。

その後、実子を亡くし、店を転々とする荒れた時代も経験したが、六本木「オー・シザーブル」のシェフとして経営を学び、2度目の渡仏での三つ星レストランなどでの修業を経て、ついに「ル・マンジュ・トゥー」をオープン。隠れ家のような店で、谷氏が人生のすべてを表現しためくるめく料理に圧倒され、骨の髄まで満たされるような体験は「ル・マンジュ・トゥー」ならではだ。

「先のことは考えますが、妻も店のマダムである楠本(典子)も、谷は現場にいないとダメな人間だと言うんです。だから、お客様に料理をお出しすることは続けるでしょうね。料理について考えるのは、本当に楽しいですからね」

ル・マンジュ・トゥー 谷昇氏

谷昇
1952年東京生まれ。六本木「イル・ド・フランス」でアンドレ・パッション氏に料理を学び、2度の渡仏。三つ星店「クロコディル」などで修業し、1994年「ル・マンジュ・トゥー」を開店。

●ル・マンジュ・トゥー
東京都新宿区納戸町22
TEL 03-3268-5911
www.le-mange-tout.com

※『Nile’s NILE』2019年4月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
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