料理は旅だ

ワインとともに豪快に楽しむ、骨太な料理。かつ、技術は確かで、味がピタリと決まっている。さらに、遊び心が織り込まれ、世界各国の料理の要素もミックスされているワクワクする内容。オープンから18年目になる「マルディ グラ」は、和知徹氏のブレない料理で多くのお客を引きつけ続けている。

Photo Masahiro Goda  Text Izumi Shibata

ワインとともに豪快に楽しむ、骨太な料理。かつ、技術は確かで、味がピタリと決まっている。さらに、遊び心が織り込まれ、世界各国の料理の要素もミックスされているワクワクする内容。オープンから18年目になる「マルディ グラ」は、和知徹氏のブレない料理で多くのお客を引きつけ続けている。

「マルディ グラ」フランス産の仔羊の串焼き
フランス産の仔羊の串焼き。マスタードとヨーグルトを揉み込み、クミンを挽いてかけてから炭で焼く。中央アジアとトルコをミックスした仕立て。たっぷりの野菜を添えて。

好循環の源は「人」にある

銀座にオープンして17年が経つ「マルディ グラ」。並木通りに面したさりげない入り口から地下へ階段を降りると、こぢんまりとした居心地のよい空間が広がる。

ここで提供されるのは、オーナーシェフの和知徹氏による、肩ひじ張らずにワインとともに楽しめる骨太な料理。世界各国の郷土料理の要素がそこかしこに顔を出す、生き生きとした魅力を備えた料理だ。
ボリュームとインパクトがありつつ、スッと体になじむナチュラルさも特徴。そんな料理を求め、連日テーブルが埋まっている。

和知氏はもともと、王道の高級フランス料理店で修業を開始したが、徐々にその枠の外にも面白さがあることを知っていったという。

「修業が一段落した90年代の後半、フランスに研修に行くと、現地では地中海料理を取り入れたアラン・デュカスが大人気。自由でヘルシーな彼の料理に触れ、『料理は柔軟でいい』と確信した」

その後、銀座「グレープ・ガンボ」でシェフを務めた際は、ニューヨークやバスクのスタイルを意識。世界中のワインを取りそろえていたため、「少し変わったワインを面白がるようなお客様が集まってきて、料理も自由になりました」

和知氏は、現在では「肉」のスペシャリストとして注目されることが多い。テレビのドキュメンタリー番組で世界の名だたる牛肉産地を訪ねるなど、肉の奥深さを発信する機会も増えている。

また、中央アジアや東欧といった日本人にとってマイナーな地域を訪れ、その地の食文化を魅力的に紹介するなど、好奇心豊かでフラットな視点でも共感を集める。

こうして旅を重ね、その成果を料理に反映し、お客の支持を得続け、発信も行う。好循環の源を聞くと、「やはり人ですね」と言う。

「スタッフもそうですし、生産者の皆さん、そして料理を食べてくださるお客様。時代時代で支えてくれる人がいて、新しいページが増えたのです」

投げかけるだけではなく、受け止めてくれる人を意識し、ともに楽しむ。マルディ グラが常に活気にあふれ、人気を集め続ける理由はここにある。

「マルディ グラ」和知徹氏

和知徹
1967年兵庫県生まれ。調理師学校を卒業後、「レストランひらまつ」を経て、1998年に銀座・三原小路の「グレープ・ガンボ」の立ち上げからシェフに。2001年「マルディ グラ」を独立開業。

●マルディ グラ
東京都中央区銀座8-6-19
野田屋ビルB1
TEL 03-5568-0222

※『Nile’s NILE』2019年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
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