料理とはフィットすること

4世代にわたり料理人の血筋を受け継ぐ藤原哲也さんは2003年、先代から「洋食屋 ふじ家」を引き継いで「Fujiya 1935」をスタート。さらに2012年、新境地を開いた。以来、「季節の食材を使って、おいしい記憶を呼び起こす料理」をコンセプトに、五感に訴えるおいしさへの追求を続けている。

Photo Masahiro Goda  Text Junko Chiba

4世代にわたり料理人の血筋を受け継ぐ藤原哲也さんは2003年、先代から「洋食屋 ふじ家」を引き継いで「Fujiya 1935」をスタート。さらに2012年、新境地を開いた。以来、「季節の食材を使って、おいしい記憶を呼び起こす料理」をコンセプトに、五感に訴えるおいしさへの追求を続けている。

  • Fujiya 1935Fujiya 1935
    サヨリのマリネとカラスミに三島独活、赤カブのピクルス、ハーブ、ドライフラワーを添えて、春らしく仕上げた逸品。
  • Fujiya 1935Fujiya 1935
    “柑橘の季節”を映す、皮ごと食べられるキンカンが主役のデザート、ガトー・ブリゼ。独特のサクサク感がグッド。
  • Fujiya 1935
  • Fujiya 1935

藤原さんは今、日本人の持つ幼少期の思い出や、四季折々の自然を映す原風景を彷彿とさせる、言い換えれば食べ手の心に懐かしい心象風景を描き出す料理に腕を振るう。だから季節の食材を大事にする。

「ずっと使っている食材に、たとえば島根・匹見のわさびがあります。清流・高津川沿いの渓流式と呼ばれるわさび田で育てられていて、うちではパスタにあえています。また春と言えばサヨリだし、郷土の食材、三島独活もおいしい。独活の株にわらと干し草を重ねて、発酵熱で育てられるんです。あと最近は、ドライフラワーをよく使いますね」

そんな藤原さんの胸には、今も商売熱心だった祖母の言葉が刻まれている。
「お客様の後ろには、大勢のお客様がいらっしゃる」
この一言こそが、客を裏切らない「Fujiya 1935」のDNAだと感じた。

  • Fujiya 1935Fujiya 1935
    1階が厨房で、2階が客席。木のぬくもりに満ちた空間だ。壁面にはワイングラス。最近は18世紀のバカラなど、アンティークがお気に入りとか。
  • Fujiya 1935のスタッフFujiya 1935のスタッフ
    「Fujiya 1935」のスタッフたち。シェフは「コックコートは着ない」主義。みんなと同じ、シャツにエプロンがユニホームだ。
  • Fujiya 1935
  • Fujiya 1935のスタッフ
Fujiya 1935 藤原哲也氏

藤原哲也 ふじわら・てつや
1974年生まれ。24歳で渡伊。2年の修業の後スペインへ。「レスグアルド」での1年の勤務を経て帰国。2003年に「Fujiya 1935」をオープン。12年には料理のコンセプトを一変させ、同時に店の大幅な改装を行った。ミシュラン三つ星を獲得。

●Fujiya 1935
大阪市中央区鎗屋町2-4-14
TEL 06-6941-2483
fujiya1935.com

※『Nile’s NILE』2020年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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