自然の規律との調和

清朝の皇帝の食を預かる職にあった厲家。西太后も愛したその献立を現代に伝える、厲家菜の厲愛茵氏。「令和」の意味を中国古代思想の文脈でとらえ、未来に向ける願いとともに料理で表現する。

Photo Haruko Amagata  Text Izumi Shibata

清朝の皇帝の食を預かる職にあった厲家。西太后も愛したその献立を現代に伝える、厲家菜の厲愛茵氏。「令和」の意味を中国古代思想の文脈でとらえ、未来に向ける願いとともに料理で表現する。

しかしその一方で、厲氏の曽祖父が責任者を務めていた西太后や清朝の皇帝たちの毎日の食事では、「食べる料理」と「見る料理」が分けられていたという。つまり「食べておいしい」と「見て美しい」は必ずしも両立していなかった。「なので、美しくて味もよい日本の料理との出合いは驚きでした。厲家菜の料理にも、もっと美しさを取り入れていきたい。刺激を受けています」と話す。

また、医食同源が根付いている中国料理のプロである厲氏の目から見ても、「日本の食材の新鮮さ、魚を多く食べる習慣は、日本人の長寿につながっているはず。学ぶところがあります。昔から中国では『4本脚より2本脚、さらに1本脚の食材が体にいい。そして一番いいのは足のない食材』と伝えられています。つまり牛豚羊より鶏や鴨がよい。もっといいのはキノコで、ベストは野菜や豆類、魚。日本の伝統的な食事は、健康そのもの」という。そんな日本の食材を、厲家菜の調理法でより意欲的に仕立てていきたい考えだ。

「今、一番興味があるのが日本のキノコ。中国にはない、マイタケなどの菌床キノコが気になっています」

北京と東京、二つの地に店を構える厲家菜。それぞれの地の自然と調和する、まさに「令和」の料理を目指す。

厲家菜 厲愛茵氏

厲愛茵 レイ・アイイン
1956年北京生まれ。北京、東京の「厲家菜」オーナーシェフ。清朝の皇帝の料理を司っていた曽祖父に起源を発する、厲家菜の料理を継ぐ。師は父親。2003年に六本木ヒルズに支店を開業、2016年に銀座に移転し、再オープンする。

●厲家菜 銀座
東京都中央区銀座1-7-7
ポーラ銀座ビル9F
TEL 03-6228-6768
www.reikasai.jp

※『Nile’s NILE』2019年8月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
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