記憶に残る昭和の味、平成の味

料理人たちにとって記憶に残る「昭和の味、平成の味」とは? 今回は、三科惇さん、厲愛茵さん、山田チカラさん、フィリップ・ミルさん、杉本壽さんに伺った。

Photo Haruko Amagata. Masahiro Goda  Text Rie Nakajima. Izumi Shibata. Junko Chiba

料理人たちにとって記憶に残る「昭和の味、平成の味」とは? 今回は、三科惇さん、厲愛茵さん、山田チカラさん、フィリップ・ミルさん、杉本壽さんに伺った。

厲愛茵 厲家菜

厲家菜 厲愛茵氏

子供時代の思い出の味といえば、中学に入った頃に父に教わった「溜肉片」です。これは豚肉の一番柔らかい部位を薄切りにし、油で穏やかに加熱して、醤油、砂糖、スープ、でんぷん、最後にネギとニンニクで仕上げる汁気の多い料理。シンプルですが、技術が必要な品です。父は「まずはこれができてから、次に進もう」と言いました。料理人としての私の出発点です。
父は1985年に北京に厲家菜をオープンしましたが、その前から、大学教授という本職とは別に、清朝宮廷の食を預かる官僚だった先祖のレシピを引き継ぎ、家でお客をもてなしていました。私はその料理を食べる中で自然と興味を持ち、じきに、作り方を教わるように。以降、父が、私の唯一の料理の師となりました。
厲家菜が2003年に六本木に店をオープンしたのに伴い、私も日本を訪れるようになりました。初めての食体験をたくさん経験しましたが、特に印象に残っているのは……納豆(笑) 
最初はもちろん抵抗があり、食べ方もよくわかりませんでした。でも熱心な知人がある時、藁に包まれた本格的な納豆をくれ、卵を入れてよくかき混ぜるなど、おいしい食べ方を教えてくれたのです。それ以来、納豆の魅力がわかるように。独特の風味も好きですが、栄養価が高く健康によい発酵食品という点も気に入っています。厲家菜の名物の一つである前菜の「麻豆腐」は、発酵させた緑豆のペーストを使った伝統料理。納豆は、大豆を発酵させた食品。そんなこともあり、親近感を覚えています。

●厲家菜 厲愛茵

厲愛茵さんの想う「令和の味」
自然の規律との調和

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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