やさしい牛はあっさりとした脂肪の肉に

前田牧場の鳥取和牛は、数々の賞に輝く一級品。「年齢を重ねてもたくさん食べられる肉」を目指し、一等の夢を実現した。明るくて風通しのいい牛舎で、牛たちはストレスなく元気に育てられている。

Photo TONY TANIUCHIemsp; Text Rie Nakajima

前田牧場の鳥取和牛は、数々の賞に輝く一級品。「年齢を重ねてもたくさん食べられる肉」を目指し、一等の夢を実現した。明るくて風通しのいい牛舎で、牛たちはストレスなく元気に育てられている。

前田牧場
前田道夫さんと孫の心愛(ここあ)ちゃん(中学1年生)。後ろの牛舎は息子さんのもの。かつてのスイカ畑に今は、牧草を植えている。「牛が大好き」という心愛ちゃんは、出荷前に牛の体形を見るだけで、その肉質の等級を当てるほど、牛を熟知している。
前田牧場の肉はご当地ファーム山の駅「大山望(だいせんぼう)」で購入することも可能だ。
大山望 TEL 0859-62-7577

前田牧場の牛舎は天井が高く、明るくて風通しがいい。
「20年牛を育ててきて、肉の味を決めるのは食べ物だけではないとわかりました。自分が牛の身になって、今食べたい、今休みたいというのをかなえてやって、ストレスなく育てると、餌をよく食べて元気に育ちます」と、前田道夫さん。愛情と環境。それを徹底したら「うちの牛肉がおいしいと言ってくれる人が増えました」

前田牧場の鳥取和牛は、「鳥取県畜産共進会グランドチャンピオン」など数々の賞に輝く一級品だ。加えて、脂肪中にオレイン酸を55%以上含有する「鳥取和牛オレイン55」の基準を満たすことが多い。
コクのある赤身とあっさりとした脂肪のバランスがいい肉は、10年前に東京で試食会を開いた時は「脂が軽すぎる」と指摘された。「最近は、軽い脂がいいというお客様が増えてきた」と前田さん。

祖父の代がこの地で酪農とスイカ栽培を始め、スイカでは食味の全国大会で一等を取った。「今度は牛で一等を取ろう」と、20年前から肉牛一本に。「年齢を重ねてもたくさん食べられる肉」を目指し、一等の夢を実現した。

「今年から息子に代を譲ったのですが、孫の心愛は毎日、牛の面倒をよく見てくれます。餌やりや掃除はもちろん、牛にブラッシングをしたり、なでたりして、愛情を注いでくれます」と満面の笑みで話す。

確かに、前田牧場の牛たちは満たされていて、ものすごくやさしい。心愛ちゃんがたっぷりと愛情を注いで、世話をしているからだ。

●前田牧場

※『Nile’s NILE』2019年9月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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