100年記憶に残る味 後編

東京にあって、懐石料理の神髄を受け継ぐ数少ない名店として燦然と輝く「懐石 小室」。主人である小室光博氏から生まれる料理に貫かれる美意識を探る。

Photo Masahiro Goda  Text Hiroko Komatsu

東京にあって、懐石料理の神髄を受け継ぐ数少ない名店として燦然と輝く「懐石 小室」。主人である小室光博氏から生まれる料理に貫かれる美意識を探る。

  • 懐石 小室懐石 小室
    店は風情あふれる奥神楽坂の閑静な住宅街にたたずむ、大人の隠れ家のよう。
  • 懐石 小室懐石 小室
    1階はL字のカウンター席で、奥にある厨房の様子もうかがえる。
  • 懐石 小室
  • 懐石 小室

「料理を食べるというと味覚、嗅覚だけの作業と思われがちですが、五感すべてで感動するべきものだと思っているんですね。そのためには、まず、自分の五感を磨くことが何より大切ですから」

ある意味、料理はライブであると小室氏は言う。手品ではないけれども、どこかで驚かせることが必要だとも。例えば、見た目は普通なのに、驚くほど味が凝縮ししているとか、見た目や香りとはまったく異なる味がするとか。もちろん目指しているのは、本質をはずした驚かしではなく、むしろ本質だからこその驚きと言えばいいのだろうか。「食べたときに衝撃を与えたい」。小室氏の料理の発想の根源にはそんな思いも潜んでいるのだ。

「どこででも体験できるもののところには人は集まりません。ここでしか体験できないものに、人は価値を見いだすのです。一口噛んだときに口中が濃密な旨みで満たされ、驚く。そんな喜びでいっぱいにしたいと思っているわけです。
とはいえ、一番大切なことは、肩ひじ張らずにくつろいで食べていただけ、食べ終わったあとにゆるりとした満足感に満たされること。それこそが、料理人としての一番の幸せです」

懐石 小室 小室光博氏

小室光博 こむろ・みつひろ
1966年、東京生まれ。今は亡き、懐石料理の名店「和幸」で、十数年間修業を積み、2000年に神楽坂にて「懐石 小室」を開店。2018年に数寄屋造りの一軒家へ移店。2021年秋から、お取り寄せ、だしパックの販売などにも積極的に取り組む。

●懐石 小室
東京都新宿区若宮町35-4
TEL 03-3235-3332
kaiseki-komuro.jp

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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