幸福を呼ぶ料理 後編

キャビアやトリュフを大胆に用いた品と、伝統的な品を自在に組み合わせた「麻布 かどわき」のコース料理。柔軟で時に異色、かつ格調を備え、そしてなによりも味で感動を呼び起こす。

Photo Satoru Seki  Text Izumi Shibata

キャビアやトリュフを大胆に用いた品と、伝統的な品を自在に組み合わせた「麻布 かどわき」のコース料理。柔軟で時に異色、かつ格調を備え、そしてなによりも味で感動を呼び起こす。

麻布 かどわき麻布 かどわ
麻布 かどわきを象徴する一品。出汁で炊いた土鍋ご飯を、熱々の状態で客席に。ふたを開け、ご飯全体を覆うほどの大量のトリュフを削りかける。一気に立ち上る香りを楽しんでもらったら全体を混ぜ、茶わんによそう。少量入れるごま油のコクと、おこげの香ばしさがポイント。

「料理は、人を幸せにする力があるんです」と門脇氏。「こんなことがありました。ある常連のご夫婦のお客さまが、ケンカ直後なのか、微妙な雰囲気で店に来られて最初はギクシャクしていた。それが料理とお酒を召し上がるうちにお二人がだんだん和やかになっていったのです。お帰りになるときは、手をつないでいらっしゃいました」。コースの2時間の間で、これほどまでに人の感情を変えることができる。それが料理、そして料理店の力なのだ。

さらに門脇氏は「料理は平和です。国境がありません」とも言う。たしかに、仮に政治的な対立をしている国があっても、その料理まで人は嫌いにならない。中国料理もフランス料理も日本料理も、国境を超えて楽しまれている。人をワクワクさせる。

「平和の祭典というと音楽やスポーツがありますが、料理もそこに加わる力が十分にあると思います。なので、料理人仲間の輪を広げて、平和の象徴としての料理の祭典を開きたい。いつか実現したいですね」
そんな料理を信じる力が、円熟を迎えた門脇氏をさらに前進させる。

麻布 かどわき 門脇俊哉氏

門脇俊哉 かどわき・としや
1960年、北海道生まれ。六本木の高級割烹「越」に就職して料理の道へ。「つきじ植むら」湯島店、高輪茶寮店、「エスカイヤクラブ」新宿店、「鴨川」霞ヶ関店、東天紅系列の和食店「海燕亭」千葉スカイウインドウズ店で料理長を務めたのち、2000年に「麻布 かどわき」を独立開業。2006年に麻布内で移転。ミシュランガイド東京2020より三つ星。

●麻布 かどわき
東京都港区麻布十番2-7-2
TEL 03-5772-2553
azabukadowaki.com

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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