自分のルーツ、日本料理の源流 後編

名店を食べ歩く食通からも、若いお客からも人気を博す「てのしま」。主人の林亮平氏は、日本料理のよりよい未来の実現をめざしている。

名店を食べ歩く食通からも、若いお客からも人気を博す「てのしま」。主人の林亮平氏は、日本料理のよりよい未来の実現をめざしている。

てのしま 白みそ仕立ての椀
タイの仲間の一種であるヘダイは秋冬に脂が乗る。このヘダイに黄ニラを合わせ、白みそ仕立てにしたわん。ベースとなるだしは、熱々の湯に焼いたヘダイのアラを入れてふたをし、火にかけることなく自然に風味を抽出したもの。雑味がなく、かつ力強く旨み豊か。このだしで炊いた大根とともにヘダイの身と黄ニラを盛り、白みそ仕立ての地を張る。仕上げの香りは粉さんしょう。

自分のルーツ、日本料理の源流 前編 より続く

そんな発想の転換の一つと林氏が考えるのが、「日常の料理の見直し」だ。
「非日常の『ハレ』に対する『ケ』の料理です。この考えを明確に示すために、だしにおける『ケ』の存在であるいりこを店のテーマの一つに定めました」

いりこは、林氏の故郷の瀬戸内の名産で、自身のルーツとも直結する。また、「郷土料理にこそ、日本料理を進化させるヒントが詰まっているはず」とも言う。

林氏は仕事で地方に行くことが多いが、「延泊して、その地の市場、スーパー、酒蔵、窯を巡るようにしています。特にスーパーのお惣菜売り場は楽しい。その土地独自の料理を見つけた時は最高にテンションが上がります」
郷土料理を食べることができる店にも足を運ぶ。「しみじみとおいしくて、感動します。こうした体験からヒントを得ているのです」

なお、自店を開いてから、林氏はあえて「高級日本料理店では使わない魚」を積極的に用いている。「仲卸や漁港の方々に、その時獲れたものを見繕って送っていただきます。そこから料理を発想しています」

このように、料理店ではほとんど見向きもされない魚を使うことは、日本の漁業の危機の改善にもつながる。
「日本ほど充実した魚食文化を持つ国は世界に類を見ないのに、日本では過剰漁獲の影響や、漁業をする方々の高齢化で、年々魚の獲れる量が減っています」
そんな状況を改善するため、今まで積極的に出荷されてこなかった魚を有効利用する。あるいは、決まった魚種にだけ注文が集まるという歪んだ状況を作らないようにする。
「危機を無視した料理人ではありたくない。次世代に何が残せるか、真剣に考えなくてはならない時期にきています」

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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