安芸の小京都の賑い

広島県竹原市には、塩づくりや酒づくりを行い、北前船で全国にさばいて財を成した「浜旦那」たちが残した町並みが、現在も人々が生活を営む重要伝統的建造物群保存地区として残されている。豪奢な門構えに「竹原格子」と呼ばれる粋な格子窓のある家々、水路沿いに立つ北前船の入港の目印となった常夜灯、酒蔵で新酒を告げる杉玉などに、町の歴史と今を感じながら歩いた。

Photo Satoru Seki  Text Rie Nakajima

広島県竹原市には、塩づくりや酒づくりを行い、北前船で全国にさばいて財を成した「浜旦那」たちが残した町並みが、現在も人々が生活を営む重要伝統的建造物群保存地区として残されている。豪奢な門構えに「竹原格子」と呼ばれる粋な格子窓のある家々、水路沿いに立つ北前船の入港の目印となった常夜灯、酒蔵で新酒を告げる杉玉などに、町の歴史と今を感じながら歩いた。

安芸の小京都の賑い、竹原市、広島特集
製塩や酒造で財を成した家々の屋敷が並ぶ、竹原の町並み保存地区。酒蔵や竹の町ならではの竹細工工房、塩づくりの歴史が残る資料館などを見ながら散策できる。

竹原は、古くから瀬戸内の交通の要衝として発展した海沿いの町だ。特に江戸時代初期からは「塩の町」として全国にその名を知られた存在である。日照時間が長く、降雨量が少ない竹原は製塩に適し、潮の満ち引きを利用して瀬戸内の海水を運ぶ入浜式の塩づくりを、310年にわたり町の主要産業として発展させた。つくられた塩は当時、大阪から北海道を日本海回りで往復していた商船・北前船で遠く新潟や青森まで運ばれた。竹原の塩を積んだ船が着くことが「竹原が来た」、その塩を買うことが「竹原を買う」と呼ばれるほど、各地で竹原の塩が待ち望まれていた。

町の商人たちは塩田を経営して財を成し、豪奢(ごうしゃ)な家を建て、それぞれに縦格子の中に横格子を加えたり、切り絵のような羽目板を飾ったりした、「竹原格子」と呼ばれる格子窓で粋を競った。こうして芸術的に高められた町並みが、重要伝統的建造物群保存地区に選定された町並み保存地区として、現在の竹原の観光名所となっている。今も地元の人々が暮らし、酒蔵や飲食店などを営む生活の場所だ。

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    竹原の町を一望する西方寺・普明閣。竹原を訪れた人は今も昔も必ずここにのぼるという重要な場所。大林宣彦監督の映画『時をかける少女』のロケ地としても知られている。
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    軒下に下げられた竹細工。町には今も伝統工芸の竹細工工房がある。
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    1871(明治4)年創業の初代郵便局跡に残る当時と同じ型のポスト。
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    町並み保存地区のそばを流れる本川。ここから船で塩が運び出された。
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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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