東西を俯瞰する眼–帝国ホテルとライト 後編

2023年、帝国ホテル2代目本館(ライト館)が開業100周年を迎える。ライト館に象徴される帝国ホテルのナショナルブランドとしての先進性に改めて注目したい。

Photo Satoru Seki Text Junko Chiba

2023年、帝国ホテル2代目本館(ライト館)が開業100周年を迎える。ライト館に象徴される帝国ホテルのナショナルブランドとしての先進性に改めて注目したい。

ライト館に始まる「革新の歴史」

  • メインダイニング メインダイニング
    多くの宿泊客でにぎわっていたメインダイニングには、オーケストラボックスも用意されていた。
    写真提供/帝国ホテル 東京
  • 中庭に面したテラス 中庭に面したテラス
    中庭に面したテラスは宿泊客の憩いの場として、多くの人が集い交流を楽しんだ。
    写真提供/帝国ホテル 東京
  • ホテルウェディングも帝国ホテルが日本初 ホテルウェディングも帝国ホテルが日本初
    1925年に孔雀の間で開催された披露宴。ホテルウェディングも帝国ホテルが日本初。
    写真提供/帝国ホテル 東京
  • メインダイニング
  • 中庭に面したテラス
  • ホテルウェディングも帝国ホテルが日本初

林愛作は長らく外国人支配人を起用してきた帝国ホテルが招しょう聘へ いした初の日本人支配人だ。大変な「外国通」であり、欧米の一流ホテルに宿泊した経験も豊富な彼は、「ホテル経営の一切を任せる」ことを条件に支配人を引き受け、革新的なアイディアを実現していった。
 
例えばランドリーサービス。当時、宿泊客の多くは海外から長い船旅を経てやって来た。「当然、洗濯物がたまっているはず」と考えた林は、洗濯部を新設。お客様の洗濯物をお預かりし、取り扱う態勢を整えた。またホテル内に送迎のための自動車部や郵便局を設けたのも、帝国ホテルが初めてだ。
 
もちろんこういった革新の精神は、ライト館とも共鳴した。例えばホテル直結のショッピング街「アーケード」。宝石店や日本の特産品を扱う店など19軒が軒を連ね、海外ゲストを魅了した。また結婚の挙式と披露宴をホテルで行う「ホテルウェディング」や「ディナーショー」など、新しい文化を生み出した。帝国ホテルの“初めて物語”は枚挙に暇がない。

このように帝国ホテルは、お客様が快適に過ごすための宿泊の場というだけではなく、人々がさまざまな形で交流する社交の場と捉え、新しい文化を創造していったのだ。
 
ライト館は40年の長きにわたって最高のおもてなしを提供し続けた。現在の本館は1970(昭和45)年に竣工されたもの。その13年後に完成したインペリアルタワーとともに、客室とオフィス、ショップ&レストランが一体として機能する、非常に先進的な空間になっている。特筆すべきは、そこにライト館時代のレガシーがしっかり継承されていることだ。例えば「オールドインペリアルバー」。店内にはライト館当時の壁画やテラコッタ、大谷石などが使われている。またライトへのオマージュか、その名も「フランク・ロイド・ライト®スイート」がある。ソファや照明、ドアのガラスなど、随所にライトの意匠を再現した客室だ。いずれもライト館の当時の面影を今に伝える。

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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