ヨルダン川西岸をゆく 中編

ヨルダン川とイスラエルの間にあり、パレスチナ自治区の一部を成すヨルダン川西岸地区。世界で最も低い土地に1万年前から文明が花開き、欧米列強に翻弄されながらも、たくましく生き続ける人々がいた。

Photo Chiyoshi Sugawara Text Chiyoshi Sugawara

ヨルダン川とイスラエルの間にあり、パレスチナ自治区の一部を成すヨルダン川西岸地区。世界で最も低い土地に1万年前から文明が花開き、欧米列強に翻弄されながらも、たくましく生き続ける人々がいた。

分断の壁
(左上)国際司法裁判所の勧告的意見や、国連の非難決議にもかかわらず入植地建設は急ピッチで進む。(左下)分離壁の多くは有刺鉄線と電気フェンスそして警備用の道路で成っている。
(右上)荒涼とした丘の上に横たわる分離壁。その向こう側の家の鍵のシンボル。故郷を奪われたパレスチナの人々の願いは遠のくばかりである。 人々とその生活をうかがうことはできない。(右下)計画を含め総延長は約 700㎞。多重構造の壁の建設が困難な都市部ではコンクリート製である。

第2次世界大戦中のホロコーストに関わる1961年のアイヒマン裁判の後に、当時の外務大臣ゴルダ・メイア(後に女性初として第5代首相となる)による「私たちがされたことが明らかになった今、私たちが何をしても、世界の誰一人として私たちを批判する権利はない」という言葉が息を吹き返し、イスラエル人の認識を大きく変えることになった。

2005年8月、イギリスの芸術家であるバンクシーはこの分離壁を訪れ、イスラエル兵に銃を向けられながらも「花束を投げる少年」を始めとする数々の壁画を描き、「強者と弱者の争いから手を引けば、強者の側につくことになる。中立ではいられない」という言葉も残した。

アーモンド畑
渓谷の湧水を利用して灌漑するバティールの段々畑にはアーモンドの花が咲いていた。およそ2000 年前につくられたという石を積み上げた壁は554㎞にもおよぶ。

2014年、エルサレム南西のバティールに残る段々畑が文化的景観としてユネスコの世界遺産に緊急登録されたのは、分離壁建設計画で景観が破壊されるという危惧からだった。オリーブやブドウの生産が盛んな土地で、石を積み上げた棚の畑や地下水を利用する灌漑システムは現在も使われていて、貯水池では子供たちが水遊びをしていた。

ヨルダン川西岸をゆく 後編」へ続く

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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