メデジン、光と影の賛歌 後編

かつては麻薬王が君臨し、無法都市だったメデジン。21世紀に入り、「世界一革新的」と評価されるほどの変貌を遂げたダイナミックなこの街を訪ねた。

Photo Ken Lai Text Koko Shinoda

かつては麻薬王が君臨し、無法都市だったメデジン。21世紀に入り、「世界一革新的」と評価されるほどの変貌を遂げたダイナミックなこの街を訪ねた。

エスコバル潜伏先
エスコバル最期の地。2階の一室に潜んでいたのを発見され、屋根伝いに逃げるも集中砲火を浴びて倒れる。現在は、スペイン語の語学学校になっている。

一方で、メデジンで最も有名な人物と言えるのが、世界の長者番付に名を連ねた、麻薬王のパブロ・エスコバルだ。メデジン・カルテルに君臨し、政治的にも力を持ち、1993年にメデジンの潜伏先で治安部隊に射殺された。44歳という短い生涯であったが、史上最も凶悪非情、野心的な人生は多くの映画などにもなっている。
 
メデジン・カルテルは消滅するが、エスコバルは過去の負の遺産として今も語り継がれている。一方で、メデジンの貧困層に多くの支援をしたとも言われ、一部地元では英雄視され、墓には花が絶えない。

エスコバール ミュージアム
犯罪博物館では若い警官が淡々と厳しい見解で、エスコバルとメデジン・カルテルについて、完全過去形で解説。メデジン・カルテルは解体したが、規模を縮小したカリ・カルテルが今も存在するという。

近年は治安が良くなったコロンビアを訪れる旅行者に向けて、エスコバルゆかりのツアーが催行されている。彼の昔の住居や射殺された現場、墓などを訪ねるものだが、建物の大半は、廃虚となっている。メデジンの西150㎞にあった20㎢に及ぶ広大な別荘は、飛行場や動物園なども有したが、現在はファミリー向けのテーマパークとして利用されている。増殖しすぎたカバが近隣の河川に生息しており、生態系を脅かしているという。

ボテロもまた、体中に銃弾を浴びるエスコバル、潜伏先の屋根で倒れて死亡したエスコバルなどを描いている。だが、そのエスコバルの表情は穏やかで、踊っているようにも、眠っているようにも見える。一部地元では、今もエスコバルが生きているという説もささやかれている。エスコバルもまた、コロンビアの生み出したマジックリアリズムの権化となりつつあるのだ。

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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