あなたは「令和のクロマニョン人」か?

時代を読む 第135回 原田武夫

時代を読む 第135回 原田武夫

ところが、こうした状況になっても全くもって動かない人々がいる。しかもそれだけではない。人類たるもの、基本はお互いに交わる際に感じるものをどのように感性で鋭くとらえられるのかなのであるが、こうした人々は全くもってこの意味で共鳴する能力を劣化させてしまっているのである。したがって一方では人工知能(AI)のように文句も言わず大量のパターンマッチングをするでもなく、だからといって人類同士を気持ちでつなぐという作業をすることもない。文字通り、ただただ「漂っているだけ」の存在となっている。現代の我が国に山ほどくらしているビジネスパーソンの実態とは、この意味での「人間」なのではないだろうか。

かつて現代にまでつながる人類は、その前の世代の旧人や、クロマニョン人などと同時代を生きていた時期があると聞いたことがある。そのことを思い出す度に「実は今、起きている人類の二分化とは、要するに現生人類とクロマニョン人が同時並行で生きていた時代の焼き直しなのではないか」と考えてしまう自分がいる。それくらい両者は異なるし、また明らかに「この先に待ち受けている未来」も違うように思えてならないのである。

人類に残されたものといえば、推論方式でいうならば演繹(えんえき)・帰納に加えて語られる「アブダクション(abduction)」くらいのものであろうか。これだけは人類にしか出来ないとしばしば専門家たちは語ってきている。しかしこれですら今、人工知能(AI)へと乗せ、社会実装しようと私自身、この夏にスウェーデンで開催される国際学会に向けて先般、論文を提出したところである。そしてこの論文が無事に採択され、お披露目されることになればもはやアブダクションですら、人類による独占の対象ではなくなっていくことになる。

あなたは「令和のクロマニョン人」なのか? それとも次の時代へと生き延びていく「ホモ・デウス」なのか? 今この瞬間だからこそ、問いかけるべきなのかもしれない。

原田武夫 はらだ・たけお
元キャリア外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。情報リテラシー教育を多方面に展開。2015年よりG20を支える「B20」のメンバー。

※『Nile’s NILE』2025年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

1 2
真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

NILE'S MEMBERS

新規メンバー募集開始

選ばれたひと、こと、もの情報
「LUXE LIFE STYLE」をともに過ごす新会員を募集します。

*会費等一切かかりません(無料)