「完全なる個人」という幻想と我が国企業社会

時代を読む 第134回 原田武夫

時代を読む 第134回 原田武夫

「マネジャーが裁量権をもって大いに仕事ができるというのだから全く問題はないのではないか?」。そう、読者はきっと思われることであろう。しかし、現実は全くもって甘くはないのである。

こうした「管理監督者」像は、それに選任された者は喜び勇んで、その全精力を用いて企業の発展のために全力疾走をする、ということが前提となっている。しかも、経営側とは阿吽(あうん)の呼吸で全くズレることがなく事業企画・立案から施行、そして部下の労務管理まで必ずやってくれるはず、とそこでは考えられている。

しかし、考えても見ていただきたい。経営側とこれら「管理監督者」の見解が違ったらばどうなのか? それでも裁量権があるから何でもしてもよいというのか? 特に経営基盤が脆弱(ぜいじゃく)なスタートアップにおいては経営者といっても駆け出しに過ぎず、下手をすると「管理監督者」の方がその道の熟練であったりする。当然、ズレは生じるわけであるが、後者はというとそのズレを意図的に埋めることなく、専横的な態度に終始する危険性がある。これに対して経営者の側は悲しいかな、四半期に1回程度行う人事評価でしか対抗することができず、「企業崩壊」寸前まで打つ手がない……というのが現実なのである。「スタートアップ元年」と称してカネを出せばよいわけではない。我が国再興の本当の道筋は、こうした高度経済成長期における成功体験に由来する「お花畑的思考」の是正にあると考えるのは私だけだろうか。

原田武夫 はらだ・たけお
元キャリア外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。情報リテラシー教育を多方面に展開。2015年よりG20を支える「B20」のメンバー。

※『Nile’s NILE』2025年4月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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