真のSDGs

食語の心 第127回 柏井 壽

食語の心 第127回 柏井 壽

食語の心 第127回、柏井壽、真のSDGs

令和6年の5月も終わろうというころ、食関係のニュースで一番の話題になったのは漬物だった。食品衛生法が改正され、自家製の漬物販売に一定のルールが定められ、基準を満たさない製造所では販売できなくなった。これにより。基準を満たすことができない業者は廃業せざるを得ない。

グルメ評論家たちはこの改正に異を唱え、零細業者をないがしろにする悪法だと非難した。その声に賛同する人も少なくなかった。地方のおばあちゃんたちの手作り漬物は日本の伝統食であり、この法律によってその文化が失われるという意見もある。しかし、この法律は令和3年に制定され、3年間の猶予期間があったことに触れないのはいかがなものか。法律が制定された当初に声を上げず、期限切れ直前になってから異を唱えても、事態は好転しない。

一事が万事である。

町の小さな飲食店が廃業予告をすると、にわかファンが急増し、閉店直前になると長蛇の列ができることがある。しかし、それらの列を作っている人たちは、ほとんど常連客ではなく、初めて来たという客もいる。消えると分かってから惜しんでも、どうにもならない。

評論家やブロガーなど、グルメと呼ばれる人々は、今の流行にしか興味がなく、先を見通すことはあまり得意ではないようだ。人気レストランの1年先の予約には熱心でも、1年先の食事情を考えることはなく、真のSDGsにはつながらない。

食における真のSDGsとは何か。京都の老舗生麩専門店「麩嘉(ふうか)」の主人、小堀周一郎さんは本業の傍ら、食の将来を見据え、さまざまな種をまき、長い時間を掛けて育てている。彼は洛北花脊の地で柚子と山椒の農園造りに取り組んでいる。これこそが、将来を見据えた真のSDGsと言える。

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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