「芦屋の賢人」の言葉を今思い出す

時代を読む 第125回 原田武夫

時代を読む 第125回 原田武夫

グローバル社会というのは実に不思議なもので、一見すると「グローバル化」の名の下に全てが平準化しているかのように見えるものの、他方でそれぞれの国家・民族にはえてして普遍的な役割とでもいうべきものが割り当てられているのだ。

例えば我が国についていうと、我が国は米欧勢からいつも学び、それを吸収しながらも、他方で常に米欧勢から見ると「列の後ろ」からついてくる存在であるかのように語られることが多い。しかしその実、加速度的な少子高齢化が典型なのであるが、我が国から始まる現象はいくつもあり、それが米欧勢をも含む世界全体に伝播されていくという意味で、我が国こそが「列の先頭」に立っているというべきなのである。

このことをふと今思う時、「芦屋の賢人」の言葉として我がメンターから聞いたことを思い出した。「よいかい、ロシアこそ、我が国を動かす時、最初に動かされる存在なのだよ。他でもないロシアだ。だからロシアが何をするのかを注視しなければならない」

仮にイスラム国の名をかたってくだんの国際的なコンソーシアムがある要求の貫徹をロシアに求めていたと考えるならばどうか。プーチン露大統領は「圧倒的な勝利」を大統領選挙において飾ったにもかかわらず、真正面から冷や水を浴びせられた形になった。つまり、逆に言えば同大統領の存在などこの国際的コンソーシアムからすれば「その程度のものだ」ということなのである。それではそこで突き付けられた要求とは一体何であり、なぜロシアはこれまで躊躇してきたのか。またその結果、我が国はどのようにロシアから揺さぶりをかけられることになり、さらにはこうした国際的コンソーシアムが利を得ることになるのか。

「本当のゲーム」がいよいよ始まった。株高に沸く我が国に生きるからこそ、私たち日本人はこの「本当のゲーム」から目を離してはならない。

原田武夫 はらだ・たけお

元キャリア外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。情報リテラシー教育を多方面に展開。2015年よりG20を支える「B20」のメンバー。

※『Nile’s NILE』2024年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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