複合素材ケースの21世紀的価値

腕時計における不朽の価値とは? ミュージシャン兼ウォッチジャーナリストのまつあみ靖が、ハイウォッチメイキングの世界をナビゲートする連載第13回。ウブロが2004年に掲げた「アート・オブ・フュージョン」というコンセプトに始まる複合素材ケースの最前線を検証する。

腕時計における不朽の価値とは? ミュージシャン兼ウォッチジャーナリストのまつあみ靖が、ハイウォッチメイキングの世界をナビゲートする連載第13回。ウブロが2004年に掲げた「アート・オブ・フュージョン」というコンセプトに始まる複合素材ケースの最前線を検証する。

  • ZTAGE アークティック
    ジュネーブウォッチグランプリ2022において、チャレンジ部門にエントリーし注目を集めたモデル。スイスのムーブメントサプライヤーであるソプロード社製ベースムーブメントに、ワールドタイム機能のモジュールを加えた。
     
    「ZTAGE アークティック」
    自動巻き、ケース径43mm、セラミック+SSケース×カーボンナイロン+ハイテクFKMラバーストラップ、5気圧防水、限定300本、651,200円。
  • ノルケイン ワイルド ワン ハクナ ミパカ リミテッドエディション
    野生動物保護活動家ディーン・シュナイダー氏とのコラボ第3弾。彼が南アフリカに設立した動物保護区&リハビリテーションセンターであるハクナ・ミパカをモデル名に冠し、ライオンを意識したカラーリングとデザインを採用。ケニッシ社製マニュファクチュールキャリバー搭載。売上の10%が保護活動に寄付される。
     
    「ノルケイン ワイルド ワン ハクナ ミパカ リミテッドエディション」
    自動巻き、ケース径42mm、ノルテック+ラバーケース×ラバーストラップ、20気圧防水、限定300本、880,000円。

今年、日本初上陸を果たしたZTAGE(ステージ)も、興味を引くブランドだ。香港を拠点にスイスの高級ウォッチブランドに関わってきた三人を中心に17年に設立され、現在はイタリア国境に近いスイス・ルガノ近郊に自社ファクトリーを構える。スイスメイドのクオリティーにこだわることに加え、自然環境保護を掲げ、WWFに売り上げの一部を寄付することを表明している。ブランドのコンセプトにのっとり、「アマゾニア」「サバンナ」「グレイシャー」などのコレクションを展開。

ここに紹介するのはワールドタイム機能を備えた「アークティック」。9パーツからなるマルチレイヤー構造のスチールケースに、スクリューをあしらったホワイトセラミックベゼルを組み合わせた。複雑でハイテックなイメージの外装が目を引く。

かつて腕時計における複雑性を担ったのはムーブメントだった。それが今や、複合素材ケースの複雑性もタイムピースの価値とリンクする時代となったと言えそうだ。

まつあみ靖 まつあみ・やすし
1963年、島根県生まれ。87年、集英社入社。週刊プレイボーイ、PLAYBOY日本版編集部を経て、92年よりフリーに。時計、ファッション、音楽、インタビューなどの記事に携わる一方、音楽活動も展開中。著者に『ウォッチコンシェルジュ・メゾンガイド』(小学館)、『スーツが100ドルで売れる理由』(中経出版)ほか。

※『Nile’s NILE』2023年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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