世界に響かせる日本のKodo(鼓動)

ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ2022において「クロノメトリー部門」のグランプリに輝いた「グランドセイコー Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン」。その意義を、製作を主導した技術者の言葉とともにお届けする。

Text まつあみ靖

ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ2022において「クロノメトリー部門」のグランプリに輝いた「グランドセイコー Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン」。その意義を、製作を主導した技術者の言葉とともにお届けする。

同軸上にトゥールビヨンとコンスタントフォースの二つの複雑機構を統合
同軸上にトゥールビヨンとコンスタントフォースの二つの複雑機構を統合したのは世界初の快挙。先行するコンスタントフォース機構のモデルを研究し、板バネよりも動力ロスの少ない渦巻き状のバネの採用や、トゥールビヨンと同軸上に一体化し、これを設置することなどを決めていった。正確な16ビートを刻む美しい音色にもこだわり、パーツの精度を究極まで追い込んだという。筆者が「この16ビート、ジェフ・ポーカロを思い出しました」と言うと、川内谷氏はニヤリとして「スティーヴ・ガッドと言ってくれる人もいました」

セイコーウオッチ内藤昭男社長は、受賞コメントの中で「今回の受賞はグランドセイコーの時計づくりの新たな出発点であり、この先もグランドセイコーにしか描けない未来を築いてまいります」と、受賞の意義を強調した。川内谷氏もこう同意する。

「グランドセイコーがいままでやってこなかった領域のことをやっているので、当然新しいノウハウが必要でした。『Kodo』の製造・組み立ての中で、今後に生かせるような大きな収穫があったと思います。これみよがしな複雑機構には興味はなくて、時計の王道を攻めているところ、でもなにかオリジナルのひとひねりがしてあるようなものがつくれたらなとは思っていますね」
「Kodo」に続く未来に期待を抱かないではいられない。

まつあみ靖 まつあみ・やすし
1963年、島根県生まれ。87年、集英社入社。週刊プレイボーイ、PLAYBOY日本版編集部を経て、92年よりフリーに。時計、ファッション、音楽、インタビューなどの記事に携わる一方、音楽活動も展開中。著者に『ウォッチコンシェルジュ・メゾンガイド』(小学館)、『スーツが100ドルで売れる理由』(中経出版)ほか。

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真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
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