テレワーク、そして「1と3の経営原理」

時代を読む-第86回 原田武夫

時代を読む-第86回 原田武夫

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筆者は10年ほど前より「これからの時代は免疫力の勝負になる」と述べ、とりわけ昨年からは「パンデミックがいよいよ襲来する」と分析を提示してきた。そして今年(2020年)、時代は一気にそうした流れとなった。これまで公開してきた未来分析に現実が追随したわけであるが、しかしそうした中でも現実は着実に進展し続けている。ここで立ち止まるわけにはいかない。

企業経営の最前線に立つ読者であればなおさらそうだ。新型コロナウイルスの蔓延を防ぐため「濃厚接触」を避けるべしと我が国を筆頭に各国政府は民間企業に対し、インターネットを用いた在宅勤務という意味でのテレワークを盛んに推奨している。だが、全ての産業セクターでこれに対応ができるわけもないのであって、こうした政府要請を事実上無視していた企業現場も数多くあるのではないかと思う。

他方で一部のセクターではむしろテレワークへの切り替えで企業現場の雰囲気が刷新され、良い効果すら生じていたと聞く。「危機管理対応」の一環として経営者がどこまで有事を想定した勤務体制を事前に組み立てていたのかによるわけであるが、今回の出来事はそうした用意周到な企業でも、とりわけ次世代型のべンチャー企業、そして中小企業にとって有利に働く事象になっているのではないかというのが卑見だ。

目先の罹患者数などのデータばかりを見ていると分からないが、要するに今起きていることは「自覚ある存在としてのヒトがヒトであるが故に行うべき仕事だけをする状況」に企業現場がどこまで肉薄できているかが問われているのである。もはや極度に発達したスパコンが人体までをも結合する(connectome)まで秒読みになっている時代なのだ。モノづくりが今すぐなくなるわけではなく、単純作業からなる仕事が消滅するわけではないが、しかし結局はヒトがヒトたるゆえんの思惟だけが付加価値を創り出すということが真正面から認められ、それだけが仕事として認知されていくのである。そしてこれをテレワークへの適合性という形であぶり出したのが今回のCOVID-19というインシデント(事件)であったと理解すれば、その真相はおのずから明らかになるというのが筆者の考えなのである。

べンチャー、そして中小企業の現場では俗に「1と3の経営原理」と呼ばれるものがある。不思議なもので創業から企業成長は常に1と3から成り立つ数値の動きをしていくのである。最初の3年で年商1億円を達成すれば次への切符が手に入る。次は10年で3億円の堅牢な企業を創り、さらにその次は30年で10億円の企業へ展開、といった具合にだ。もっと急成長という意味では年率1.3倍の売上高を達成すると年商1億円は10年で14億円に膨れ上がる。そして18年も経過すれば年商100億円を優に突破する「計算」となる。

新型コロナウイルスで「転んだ」としてもタダでは起きない経営者であることを読者には望みたい。むしろこれまでのしがらみがテレワークへの適合性で払拭された今だからこそ、「1と3の経営原理」に向き直り、年商100 億、いやそれ以上を目指すSME(=Small and Medium-Sized Enterprise)がこの瞬間から、我が国から続々と飛び立ち始めることを望んでやまない。

原田武夫 はらだ・たけお
元キャリア外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。情報リテラシー教育を多方面に展開。2015年よりG20を支える「B20」のメンバー。

※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています

真のラグジュアリーとは何か

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ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
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