それでもPax Japonicaが実現する本当の理由 

時代を読む 第97回 原田武夫

Text 原田武夫

時代を読む 第97回 原田武夫

地球

私には何人か年長のメンターがいる。そのうちの一人でかの台密のトップたちからもその能力が故に畏れられている人物がこう語ってくれたことがある。

「我が国は最終的に世界のトップに躍り出る。しかしその前に必ず崩壊寸前となる。今はすでにその時なのであって、あらゆる方面でとめどもなく崩れ始め、しかもそのスピードが加速していく。覚悟せよ」

東京夏季五輪が正にその典型であった。そもそも開催そのものに無理があり、世論がそれを後押ししていたわけではなかったが、それでも政府要人たちは開催をゴリ押しした。パンデミックより前からそうであった中、いざCOVID-19が始まるとたちまち崩壊の度合を増していった。世間からの突き刺すような視線は大会組織委員会の全員に対して向けられ、その一挙手一頭足がソーシャルメディアにさらされた。

そして「これは内輪の会合での発言だから……」、あるいは「これは芸能活動の場でのしゃれだから……」とごまかしてきた不適切発言が「不穏当」とされ、糾弾の的となった。開会式直前まで続いた辞任に次ぐ辞任。これはもう何かに取りつかれているとしか言いようのない状況であった。

無論、矢面に立った人物たちが悪いわけではない。結局は政治であり、民主主義ということになっている。そうである以上、最終的に彼らがあのような醜態を世界全体に対してさらした責任は他でもない私たち自身にもあるのだ。ところが私たちはというと、およそそうとは感じていないのだ。

結局のところ、「自分たちは何とかなる」「自分たちは悪くない」とかたく信じ込んでいる。だから何も変わらない。そう、問題は何も解決されないのである。

さまざまな情報を統合して分析すると、2023年秋ごろから世界は大規模に変転し、いよいよ2024年5月からは決定的な形で転換する。そう、私たちの研究所はかねてより分析している。

それを控えて10月から「Project Pax Japonica」と称し、我が国の復活が可能になるための社会運動を開始しようと先般、公式YouTubeチャンネルを通じて呼びかけたが、どうもうまくいかない。無論、多くの方々が「いいですねぇ」とはコメントし、参画したいと言ってくる。だがしかし、私の目から見るとそれは「高等な趣味」の域を出ないコミットメントの表明なのである。

それが証拠に「それでは周りの方々と連れ立っていらしてください」と弊研究所のスタッフからお願いすると途端に返事がなくなるのである。それもそのはず、自分だけが趣味的にこの種の会合に顔を出すのは楽だからだ。しかし誰か他の方をも連れてくる、となるとその方に説明をしなければならないし、納得も得なければならないのだから大変なのだ。しかしそこまではしないということは「趣味の領域」を出ていないと言わざるを得ない。

「あぁ、これが我が師の言う“とめどもなく崩れ始める”ということなのだ」と最近痛感している。どうしようもない流れであり、かつすさまじい勢いでスピードが加速しているだけにやるせないわけであるが、そうした中でこの流れとは相反する動きがあることを最近聞くに及んだ。

どうやら我が国に対して、スイス勢が持っている金融利権のコア中のコアとでも言うべきものを委譲することが「殿上人」の間で決まったというのである。真偽のほどは定かではない。だが例によって傍証のレベルで観測する限りにおいては、どうも英国勢の動きが妙なのである。とりわけ「関西万博」へのコミットメントが目立ってきている。東京、福岡が今後、「国際金融都市」として成熟ないし発展していくことは目に見えているわけだが、「関西」というターゲットが本命であるかのような動きである。端的に言えば現在、スイス勢が所有している「国際金融の最重要拠点施設」が事もあろうに関西のある地域へ移設されるのだという。

このまま行くと「ニッポン人抜きのPax Japonica」が実現されてしまう。だがしかし、そうであるが故にこの不可逆的な流れに魂を入れるのは私たちニッポン人の覚醒でしかない。そうあらためて強く思う、今日この頃である。


原田武夫 はらだ・たけお
元キャリア外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。情報リテラシー教育を多方面に展開。2015年よりG20を支える「B20」のメンバー。

※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています

真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
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