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ANDY WARHOL×リストランテホンダ 本多哲也

瞬間の芸術「料理」に全エネルギーを注ぐ五人の料理人が、ANDY WARHOLの世界に挑む。リストランテホンダ 本多哲也の挑戦。

Photo Masahiro Goda  Text Izumi Shibata

瞬間の芸術「料理」に全エネルギーを注ぐ五人の料理人が、ANDY WARHOLの世界に挑む。リストランテホンダ 本多哲也の挑戦。

リストランテホンダ 本多哲也
鹿カツの衣の竹炭の風味は、ビーツの土っぽい香りとの相性がいい。鹿カツに生ガキを載せているのは、生ガキのミネラル感が鹿肉の赤身のミネラルに合うため。黄色のモスタルダはマスタード風味で、「トンカツには辛子」の延長上。ただしこのモスタルダは全体の引き締め役にもなる。カラシ水菜の爽やかな辛みもアクセントだ。

また今回、鹿肉をローストとカツの2種類に仕立てたのは、ウォーホルの作品スタイルからの発想。「マリリン・モンローやアインシュタインの肖像画がありますが、同じ図柄をいろいろな色で刷っています。今回鹿を二つの調理法としたのも、『同じテーマを複数で』という考えから」

そして「ウォーホルといえば、やはり奇抜なイメージ」と本多さん。前例にとらわれないからこそ、ポップアートを発明できた。「鹿のカツに生ガキを合わせるのも、ちょっと破天荒でしょ?(笑) これもウォーホルっぽいかな、と」

ウォーホルについては「よくは知りませんでした」と、本多さん。「なので、今回のテーマには困りました。文章を読んで勉強しましたよ」と笑う。ただしアートは昔から好きで「ピカソやシャガールは素直にいいな、と思いますね。ほかにも気になる展覧会があれば美術館にも行きますよ」

鑑賞の仕方としては、「作家名を意識するより、『この絵の色が好き』『この表現は面白い』という具合に、作品そのものに興味を刺激されます。作品は心に残っても、作家名を知らないことも多いかな」

また、「自分はロックが好きなので、ウォーホルが音楽のプロデュースをやっていたことは知っていました。ミック・ジャガーとも親しくて、彼の絵も描いていますよね」と話す。「垣根を越えてアートの中心にいる。そして表現が分かりやすい。ファンキーですよね。今回は、そんなウォーホル全体を感じ取ろうとしました」。普段は作家よりも作品に心が向くという本多さん。今回は人としてのウォーホルに深く入り込んだようだ。

本多哲也 ほんだ・てつや

本多哲也 ほんだ・てつや

1968年、神奈川県生まれ。東京調理製菓専門学校卒業後、「リストランテ トゥーリオ」などで経験を積み、97年に渡仏・渡伊。イタリアの三つ星レストラン「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ本店」などで修業後、99年に帰国。「リストランテ アルポルト」にて副料理長を務めた後、2004年に「リストランテホンダ」をオープン。『ミシュランガイド東京 2022』で14回目の一つ星の評価を得た。

●リストランテホンダ
東京都港区北青山2-12-35 1F
TEL 03-5414-3723
ristorantehonda.jp

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真のラグジュアリーとは何か

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