“青流”が生む竜と滝 後編

高知県ショートトリップの締めくくりは、霊場めぐりがふさわしい。四国八十八カ所霊場のうち、高知には16の霊場がある。今回は竹林寺、清瀧寺、青龍寺を訪れた。

Photo Masahiro Goda  Text Junko Chiba

高知県ショートトリップの締めくくりは、霊場めぐりがふさわしい。四国八十八カ所霊場のうち、高知には16の霊場がある。今回は竹林寺、清瀧寺、青龍寺を訪れた。

竹林寺
竹林寺。本尊・文殊菩薩像は秘仏とされる。京都・切戸の文殊、奈良・安倍の文殊とともに「日本三文殊」の一つに数えられる。

三つの霊場を参拝

高知ショートトリップの締めくくりは、やはり霊場がふさわしい。弘法大師空海が815(弘仁6)年に開創したと伝わる四国八十八カ所霊場のうち、高知には16の霊場がある。その道中は四国遍路の中でも難所とされ、「修行の道場」と呼ばれる。今回の参拝は竹林寺(ちくりんじ)、清瀧寺、青龍寺である。

竹林寺は、724(神亀元)年に僧 行基(ぎょうき)が開創。「中国の五台山に登り、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)から仏教の奥義を授かる」夢を見た聖武天皇(しょうむてんのう)の勅願を奉じて、五台山にも似たここに伽藍(がらん)を建立したという。参道には寺号にふさわしく竹林が続く。苔むした石段を上がりながら受ける“霊風”が心地良い。

竹林寺の五重塔
竹林寺の五重塔。塔内にはインド・ブッダガヤから勧請された仏舎利が納められている。また初層内陣には大日如来をまつる。

清瀧寺は、土佐市北部、醫王山(いおうざん)の中腹に開かれた霊場。紙どころとしても知られ、和紙を漉(す)く水の源泉としての信仰もあつい。龍と天女が描かれた仁王門の天井画にも、その心が表れている。

そして最後が青龍寺。宇佐の大橋が架かるまでは、船で渡った。弘法大師のお供をした8人の子孫が「竜の渡し」という渡し船を近年まで守り続けてきたと伝えられている。

仁淀ブルーの「青」と、水神の化身たる「龍」。旅のテーマを象徴する二つの漢字を持つ霊場をもって、今回の旅を終わりにしよう。

(左)青龍寺。(右)清瀧寺に立つ、本堂より高い大きな薬師如来像
(左)青龍寺。弘法大師が四国巡錫(じゅんしゃく)の際、唐の国から投げた独鈷杵(どっこしょ)が奥の院の松の枝にあるのを見つけ堂宇を建立したと伝わる。
(右)厄よけ祈願の名刹 清瀧寺に立つ、本堂より高い大きな薬師如来像。台座の中で88段の戒壇めぐりができる。

※『Nile’s NILE』20211年7月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

▼高知 関連記事
仁淀ブルーを求めて
安居渓谷で滝めぐ
三つの霊場を参拝

真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

NILE'S MEMBERS

新規メンバー募集開始

選ばれたひと、こと、もの情報
「LUXE LIFE STYLE」をともに過ごす新会員を募集します。

*会費等一切かかりません(無料)